メロウなvéloで行こう

おもに小径折りたたみ自転車で東北各地、ときに日本各地や海外を走る話

2005 BD-1で走るバリ・ロンボク Bali and Lombok Day4

Day4 ウブド-バンリ Ubud - Bangli
 
前の日の話 ↓

バリ4日目。
さらに内陸に入る道をたどり、かつての小王国の首都だったバンリへ。
この街にわざわざ泊まりがけで来る外国人観光客も多くないせいか、宿やめし屋などツーリスト向けインフラは飾り気ない(=イけてない)感じだった。
ウブドの心地よい朝。ついついだらだらしてたら昼前になってしまいだらだらと出発。
今日もあみだくじロードを縫って東へ向かう。
 
谷に降りてはまた昇る道と稜線上の見晴らしのいい道を繰り返す。
この辺りも全体的に斜面なのでいたるところ棚田がある。ウブド周辺よりも絵になる風景かもしれない。
この辺りにも小さなリゾートが点在し、ハネムーンやボサノバにおすすめだ。
その辺りの宿の客と思しき西洋人ねいちゃんがレンタルMTBポタリングしているのにも会う。アジアにいるとそのケツのデカさに改めて驚かされる。
 

 

ペジェンPejengの町に着く。ちょうどひるめしの時間だ。
ウブドあたりと違ってこの辺りは西洋人向けの小綺麗な店はなく、地元民向けのローカル食堂(ワルンという)しかない。
その手の店のどこにでもある定番メニューがバクソ。馬糞と変換されてしまうが見た目は当たらずとも遠からずといった感じのバカでかい肉団子である。
団子と言ってもプリプリした食感で練り物っぽさがある。肉のすり身をタピオカ粉でつないで丸めたものだと後で知った。大きさは店によって違うがテニスボールぐらいでかいのもあってハサミで切って食べる。これが2、3個どんとスープに入っている。
定番というか、田舎町のワルンはだいたいこれしかない。この先も西洋人の多いリゾート地以外ではだいたい毎日バクソを食べていた。
麺が入っていることもある。メニューにバクソゴレンとあるので雑炊っぽいものかと思ったらバクソと別にご飯が出てきただけだった。
スープは塩味と言うかすまし汁風で、醤油っぽい調味料とロンボクソースというピリ辛タレが添えられている。
まあタイやベトナムと比べるとインドネシアの庶民の食べ物はそんなにおいしくないという印象だ。
 
お寺その1
 
お寺その2

こんな田舎道を行く
 
途中で夕立に会う。
東南アジアの雨は短い時間にドカッと降って終わるから待っていれば止む。なので道端の東屋のようなところで雨宿りする。
 
しばらくすると鎌を持った農家のじいさんも入ってきて一緒に雨宿りした。
会話帳を片手にどこから来たどこへ行くなどと話をする。
 

カメラを向けるとなぜか鎌を手にして決めポーズをする。あぶないからよせ。

じいさんの名前を聞くとXX○…と聞こえたがどうも日本語で女性器を意味する放送禁止用語が含まれている。訊き直してみたがやはり放送禁止だ。
バリ島の聖なる山とされる最高峰はキンタマーニという名だそうだから、じいさんがそういう名前でも不思議ではないのかもしれない。
 
途中の村ではお祭りが。
みんな着飾っている。この1日だけで3箇所ぐらい祭りに遭遇した。バリ島では毎日どこかで祭りがあるとどこかで読んだが本当だ。
 
かつてバリ島はいくつもの王国の連合体だった。バンリ王国もその一つで、ここバンリが首都だった。
まずは宿を探そう。
ロンリープラネットに「かつての王宮跡地でバンリ王家の末裔が経営」と書いてあるところに行ってみた。しかしそこはあまり泊まる人もなさそうでかなりボロく、王宮のイメージは跡形もない。王家も没落してしまうと色々大変なのだろう。
 
近くにもう一軒の宿があったので尋ねてみる。こちらも結構ボロいが元王宮よりはましな感じだ。1泊12万ルピア、約1000円。お湯は出ない。ここでいいや。
 
今日通ってきた町、そしてここバンリと、バリに来て初めての、観光色のない田舎町だ。デンパサールやウブドでは地元民は観光客とツーリストビジネスの陰でひっそり暮らしている感じだったが、ここでは開放度100%だ。
市場や道端の屋台は地元民だけでにぎわい、公園では部活の中学生たちが腹筋や腕立てをしている。東南アジアはこうじゃなくちゃ。やればできるじゃないかバリ島民。
 
この町の名物はバビグリン、仔豚の丸焼きだ。
バビグリン屋台があって、一人分から手でむしってテイクアウトできる。子豚ちゃんそのままの形から食うのは気持ちのいいものではないが、部屋で肉を食べるのは原型がわからないからいい。イートインだとこれをオンザライスして食べるらしい。
 
別の屋台ではサテアヤムという、ローストチキンのつるし切りを売っている。大きい肉から切り分けるのがインドネシア流だろうか、合理的でいい。こちらもテイクアウトする。
 
つまみは仕入れたのであとはビールだ。
しかしどの店もビールは冷やさないでそのまま売っている。冷えたビールを探すがどこにもない。宿に訊いてもない。バリじゃ観光地以外では冷やしたビールは売っていないという衝撃の事実を知る。
タイなどでは氷を入れて飲むからここでもそうなのかもしれないし川とかで冷やすのかもしれない。
仕方ないのでわたしもホテルの洗面所に水を張って冷やして飲んだ。
 
インドネシアのビールの代表的なブランドはビンタンだ。
ラベルを見れば「Best served with friends」と書いてあるから、仲間と楽しく飲めば冷やさなくてもおいしいという意味かもしれない。しかしわたしはひとり旅なので冷やさないとbestで飲めないんだどうしてくれる。
 
ロンリープラネットにはこの町はバリ島で最も気候が冷涼な一角だとある。なるほど日が暮れると歩いていても涼しいし、宿の部屋にはエアコンはないが快適に過ごせる。
 
さらにロンプラの記事を読む。かつてのバンリ王国を支配していたのはゲルゲル王朝、初代王はデワグデンデンという名だそうだ。ゲルゲルとかデンデンとか、そんなことでいいのかバンリ王国。
 
Bangli Inn。120000Rp ( 1000円ぐらい ) 外見からしてぼろい。

当然中もぼろい
 

宿の名誉のために付記しておくと、2023年現在だいぶ小綺麗に改装された模様。

goo.gl

バンリ名物バビグリン(仔豚の丸焼き)の店。一人分を手でむしってテイクアウト(左側に頭部)
 


柔らかい肉とパリパリの皮がおいしいが、仔豚ちゃんの無念そうな顔が脳裏をよぎってしんみりしてしまう。

 

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