メロウなvéloで行こう

おもに小径折りたたみ自転車で東北各地、ときに日本各地や海外を走る話

2005 BD-1で走ったバリ・ロンボク  Bali + Lombok Day5

 Day5 バンリ-シドムン Bangli - Sidemen
 


前の日のおはなし↓

 
宿のあさめしはしょぼかった(トーストとオムレツ)し食い足りない。そういうんじゃないんだもっとこう、あるだろう地元っぽいあさめしが。と眦を決してわたしは朝食第2部を求めて昨日の市場に向かった。

 
そこにはわたしが求めているような地元ヴァイヴに満ちていた。
あさめしを出す屋台もある。ナシチャンプルー(おかず乗せごはん)の店だ。現地語で「ごはん・混ぜる」という意らしい。
なんだか沖縄ぽい響きだが、インドネシア語 campur と琉球語チャンプルーはだいたい同じ意味のようで、さらには長崎のちゃんぽんとの関係性も推測されるらしく興味深い
名の通りごはんの上に好きなおかずをいくつか選んで乗せてもらうシステムで、しかし名前ほど混ぜないで食べる。このときは鶏カレー(とても辛い)、魚のカレー和え(けっこう辛い)、野菜カレー(やっぱり辛い)、それに玉子、練り物みたいなの、謎の煮物など、ほぼ全部載せに近い。これらを油紙を敷いた平たい竹籠の上に盛ってくれる。エコロジカルかつ衛生的だ(残念ながら画像なし)。
 
 
朝からアヒ辛で発汗して元気が出た。今日も西に向かう。
沿道に棚田が多くなる。ウブド周辺に比べてこの先の地形はより高低差があるので棚田の風景もダイナミズムがある。ツーリズム的にはウブドの棚田は有名だが、あれが特に優れているわけでなく、「ウブドにもいちおう棚田はあるから見てってください」ぐらいの感じで、棚田鑑賞の真髄はもっと地形に高低差のある地域にあると感じた。
 

アップダウンが多くなって自転車的には楽ではないが、棚田の風景はますます素晴らしい。随所で斜面から水が湧き出していて集落に導かれており、マンディ場に注いでいる。相変わらず水浴びしているところを見てみたいような人に限ってそういうところではむやみに水浴びしていない。
 
 

途中のMuncanという小さな町でひるめしとする。ここにもナシチャンプルーの食堂があったので頼む。
 
食堂のお目目くりくり3きょうだい。お姉ちゃんは接客したり子守したりよく働く
 
庭の木になっている果物が皿に盛られて置いてあり、これは無料サービスだ。梨みたいな味でおいしい。
 
 
 
 

巨木(左)を祀ったお寺。怪獣ランドみたいで楽しそう。
 
別の村にも怪獣ランド
 
ひとしきり丘を登るとその先は山腹をトラバースする気持ちのいい道を行く。棚田もますます見事だ。
 

最大斜度棚田
 
 
走ってきた高地から7kmのダウンヒルで今日滞在するシドムンに着く。
シドムン(サイドメンに見えるがこう読む)はロンリープラネットに「アグン山と棚田を眺めながらレイドバックできる、観光客の少ないエリア」と書かれてあって興味を惹かれた。今日はそこに泊まろうじゃないか。
 
シドムンの集落から離れた場所にいくつかの宿が点在している。
そのうちの一軒に投宿した。
 


シドムンの宿、Lihat Sawah Guesthouse (web)。
緑に囲まれ、棚田の風景を見渡す素晴らしいロケーションにあるバンガローの宿だ。
1軒一人で貸切250000Rp。
一階が居間と水回り、2階は寝室とベランダ。今回の旅のベスト宿大賞だ。
 
 
趣ある室内
 

シャワーとトイレは半露天で趣がある

 
2階のベランダ
 
 

ベランダからはアグン山がどどんと。
 
 
宿周辺をポタリング
 
 
集落のお調子者たち。
 

 
ばんめしはルームサービスを頼める。サテアヤム(焼き鳥)、そしてまた飽きもせずなしチャンプルー。
 
夜はこれまで滞在した町より一層涼しい。屋外にいても蚊に刺されないのは何よりである。
タイはベトナムも夜は涼しい風が吹くが、熱帯であるここバリ島がいちばん涼しいのはどういうことだろう、そして緯度が高いはずのわが国の夜がいちばん暑いのはなぜだろう。そんなことを取り止めもなく考えながらテラスのベッドでうとうとしたのだった。
 
虫とカエルの声に加えて近くの村からガムランの稽古の音が聞こえて来てまことに風流である。余計なBGMは不要だ。