メロウなvéloで行こう

おもに小径折りたたみ自転車で東北各地、ときに日本各地や海外を走る話

2006 KHSF20で走るタイ東北部 Day15 ウドンターニーまで

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Day15  シーチェンマイからウドンターニーまで Si Chang Mai - Udon Thani

 

朝出発の準備をしていたら、同宿のドイツ人家族が自転車に荷を積み込んでいるところに会う。彼らもメコン川沿い自転車旅行道中だ。

夫婦と娘3人。小学生の姉妹はそれぞれ自分の自転車を漕ぎ、末っ子はパパの自転車が牽くトレーラーに乗って楽ちんである。それにしてもこんなところまで自転車を持ってきて家族旅行するドイツ人の旅行力には驚くばかりだ。

 

シーチェンマイは生春巻の皮(ライスペーパー)の名産地として名高い。というのもこの街はベトナム系移民が多く住むからである。

町のそこそこに竹で編んだ網に乗せて干してある春巻の皮を見かける。これが伝統の製法なのだろう。

 

いよいよこの旅もフィナーレを迎える。

自転車旅最後の日は最寄りの空港のあるウドンターニーまでの走行だ。

略して単にウドンと呼ばれることも多い。春巻の皮の名産地の次はうどんである。うどんは小麦粉だが春巻の皮は米粉だ。どうでもいいが。

 

 

ここからウドンまでは、国道を通るのが王道にして正統だが、自転車的には面白くない。そこで番号4ケタの地方道からなる裏ルートをたどって行こうと考えた。

 

上に挙げたGoogleマップのルートは大まかなもので、正確な道筋は記録が散逸してしまいわからないのだが、さほどアップダウンは多くなかった。

 

はじめは舗装路…

 

だんだんローカルな雰囲気…

 

奥地に進むにつれ次第に道路がしょぼくなり、やがて未舗装のダートになる。

おおついにダート

 

ダートと言ってもきめの細かい土が固まった路面で走りやすい。サス無しのKHSでもラクに走ることができ、この日の平均時速は驚いたことにこれまでの舗装道を走った日と変わりなかった。

農場や森、小さな村を縫って田舎道を走って辺境気分が味わえたのはよかった。旅の最後にワイルドな道中をちょっと楽しめてちょっとしたボーナスステージであった。

 

鄙びた農村の風景は次第に郊外のそれに変わり、やがて建物は高くなりクルマも多くなる。街が近い。

ウドンターニーに着いた。

ああ旅が終わったんだなという充実感と一抹の寂しさが交錯する。

旅の最初に降り立ったコーンケーンはウドンの200km弱南だ。あと2、3日あればコーンケーンまで自走して旅の環を閉じることができたのに、とか考えるがまあそういうのはあまり意味がない。

 

夜の便でバンコクに発つ。それまで市場を冷やかしたり、メシを食ったりして街をぶらつく。市場はどこもやはり楽しい。

 

豚の頭専門屋台。どうやって食うんだろう…

 

王道のガパオで旅程を締めくくろう

 

あやしいシェフ。目つきもヤバい。だいたいそのヒゲは何だ。

「トマト&パパイヤソース」とあるが唐辛子の絵もあって謎味

夜の飛行機でバンコクに飛び(所要1時間)、

 

着いた時に泊まったホテルに再び投宿。一泊して次の日に荷造りし、帰国の途に就く。

毎回利用しているアシアナ航空の日本便はドンムアンを夜更けに出発する。そのためさらにもう一泊分部屋を取っておいて夕方まで滞在し、それから空港のラウンジでばんめしがてら出発まで飲んだくれる、というパターンを今回も踏襲した。

 

4度目のタイ、これまで訪れた地方に比べるとイサーンはさほど良いものではなかったが、後半のメコン川沿いの旅で大いに旅情を満喫して挽回できたのはめでたいことであった。

これで中部、南部、東北部とタイ各地に足(タイヤ)跡を残した。あとは中部と南部の間をつなげている海岸地帯が未踏の道として残されている。

次の年はそのルートを走ることとなるのだった。

 

またしてもいい旅だった。

やはりタイは、衆生が自転車で走って愉しみ解脱するためにブッダが造りたもうた楽園であった。

いやー自転車旅って、ほんとにいいもんですねえ(故水野晴郎風)

 

2006 BD-1で走るタイ東北部 完