メロウなvéloで行こう

おもに小径折りたたみ自転車で東北各地、ときに日本各地や海外を走る話

2009チェコ自転車旅 Day4

2009チェコ自転車旅 Day4 
フルボカ・ナド・ヴルタヴォウ から チェスケ・ブデヨヴィツェ
Hluboka n. V.České Budějovice
 
前日の話はこちら↓

mellowyallow.hatenablog.com

 
当初の予定では昨日Cブヂェヨヴィツェ(以下CBと略す)に泊まり、今日はチェスキークルムロフに向かうことになっていたのだが、走行一日目にして遅延が生じた。でもCBの街も見たいし、その先Cクルムロフまで行けるかは行き当たりばったりだ!とテキトーな気持ちで走る走行2日目。
 

 
・フルボカーの町

 
部屋からの眺め。この辺りの地形はヴルタヴァ川の流れる谷とその周辺の森から成る。
 
朝食後宿を出てフルボカの町へ向かう。
泊まったザモスティとは川を挟んだ一つの街みたいなもので、観光エリアと生活エリアに分かれておるようなものか。
川を渡るとなるほど観光地だけあって高そうなホテルやレストランが立ち並ぶ。ドイツやオランダやスウェーデンのナンバーを付けたクルマと観光客で朝から賑やかだ。
 
 
この町の観光の目玉はフルボカ城。
古くから名家シュヴァルツェンベルク家の居城だったが、19世紀に英国ヴィクトリア女王戴冠式に出席した当時の城主がウィンザー城を見て「いいなあウチにもあれ欲しい」と言って改築したのが現在の姿。
 
 
われわれ日本人にはむしろ田舎のラブホテルを想起させる感じだが、そんなことを言ってはいけない
 
・Cブヂェヨヴィツェへ
 


狭小教会
 
カマボコ村と勝手に名付けたOpatoviceの村
 
Hrdējoviceという村に通りかかる。
小さな食堂から工事のおっちゃんの一団が昼めしを済ませて出てくるところだった。こういう店はなべて安くてうまい。ちょうどひるめしの時間だし入ってみる。
ランチ定食60Kr(約360円)を頼むと雑炊とパンがドンと出てきた。なんだこれだけか、360円じゃそんなもんかなと思っていたらほどなくパプリカチキンとパスタのメインがドンと置かれた。以後幾たびと世話になる安くてうまいチェコ定食との出会いである。

 

そんなこんなでCBも近づいてきたが、もう昼下がりにさしかかりアンニュイな時間である。もはやこれからCBの街を見てからCクルムロフに向かうなどとは現実的ではなくなってきた。よって今日はCBに泊まることとする。 

 

・Cブヂェヨヴィツェの町

CBに近づく。周辺の住宅街にはこんな自転車レーンが。歩行者とも分離されていて、老若男女かなりの数の自転車がぶんぶん通る。排ガスゼロのトロリーバスわが国では50年以上前に姿を消した)が健在なところといい、この町の都市交通には見習うべきものがあると感じた。



旧市街に入るといきなり広場の広大さに圧倒される。
なんでもヨーロッパの町でいちばん大きい広場というが、サッカーでも野球でもできそうなぐらい広い。なんでこんなに広くしたのか。向かいの店にちょっと用事があって行く、というのですら大変そうだ。
であるから周囲の建築をひと回り見るのも長大な散策となる。
 



 
ホテルジオン(左)てすごいな。公国の経営か。
 
 


 
 


 
 





 
 
今日の宿は Penzion Centrum 
(2023現在閉業)

朝食付き1000Kr

 

ところでBudejoviceのドイツ語名はBudweis。米国のビールブランド バドワイザーBudweiserの語源である。

中世以来のビール醸造伝統を誇るこの町の名を、なんで米国のビール(しかも味はぜんぜん違う)が冠しているか、実は以下のような因縁がある。

 

アメリカ合衆国バドワイザーは、両醸造所に無関係のドイツ系アメリカ人が、ビール名産地の「ブドヴァイス」にあやかろうと1876年に自らが販売するビールに「Budweiser」と命名した上でアメリカでの商標登録を行ったもので、当時すでに「ブドヴァイス」ブランドでの対米輸出を行っていた両醸造所と紛争状態となった。両醸造所と米バドワイザーを製造・販売するアンハイザー・ブッシュ社と1911年1939年チェコ側が北米大陸および米国保護領に限り商標権を放棄することで合意した。

しかしアンハイザー・ブッシュ社はその後もチェコ側に先んじて日本を含む各国で商標登録を行った上、ブジェヨヴィツェ・ブドヴァル国営会社を相手取ってチェコ産の「ブドヴァイス」ブランドビールの販売差し止め訴訟を起こし、現在も40か国以上で係争中である。さらにブドヴァル国営会社に対し商標権買収を提案したが、チェコ政府はブドヴァイゼルブランドの保持のため、この種の要求を全て拒否している。 (wikipedia)

 図々しいなアメリカ人。盗人猛々しいとはこのことだ。
 

「ブヂェヨヴィツェ・ブドヴァル国営工場」
このあと長らくお世話になるチェコビールの全国ブランドの本社工場。

 

 

明日はユネスコ世界遺産として全世界の観光客が集まるチェスキークルムロフに向かう。