Day3 ファイヒンゲンまで輪行・・・エティスハイムまで 約23km
Düsseldorf -(train)- Vaihingen an der Enz - Ötisheim
行程の前半、ドイツ南西部シュヴァルツヴァルトの旅が今日からはじまる。
以前から訪ねたいと思っていたヘルマン・ヘッセゆかりの地(故郷の町カルプと少年時代を過ごしたマウルブロン修道院)に立ち寄ることも鑑み、自転車旅の出発点をシュトゥットガルト近くのプフォルツハイムに決めた(当日になってファイヒンゲンに変更)。
デュッセルドルフからプフォルツハイムまではインターシティ(IC)で約3時間半。もっと早い特急(ICE)もあるのだがこれは自転車持ち込み不可(輪行袋に入れてもダメらしいが、ブロンプトンのようなフォールディング小径車なら可らしい。←未確認)。
指定券は日本からネットで予約した。自転車の持ち込みも事前予約が必要でしかも台数に限りがある。しかも夏休み中の週末とあってなかなか取りづらく、人間の席は取れても自転車は満席ですと言われて列車を変更すること数回、ようやく確保できた。
小径折畳車なんだから袋に入れて持ち込めばいいだろうという声もあろうが、客車の荷物スペースが果たしてどのくらいあるのかわからなかったし、なによりライノは折りたたみ車と言っても前輪を外さなくてはならないし畳んだ状態の取り回しも非常にたいへんなのである。折畳み作業の面倒さも考えた上でそれなら荷物車に預けたほうが安全かつ気楽と考えたのだった。
デュッセルドルフ中央駅までは前の日に自走で行ってみてはいたが、今日は万全を期して宿の目の前のヴェアハーン駅からSバーンで中央駅へ。
なかなか難解な指定券。「座席1名、自転車1台、座席が12号車、自転車用荷物車が5号車、座席No96、自転車ラックNo143」の意だが実際乗ってみるまで意味が解らない。(乗り換えプフォルツハイム行きの区間はキャンセルした)
運賃は1等車69€、自転車9€だった。荷物車と自分の席までの間に6両挟まっているということの大変さをこのあと知ることとなる。
「すいません、失礼、ごめんよ、ちょっと通してください」と知る限りのドイツすいませんフレーズをリピートしながらサッカーバカたちをかき分けて進む。意外なことにみんなわりと協力的で、嫌がらせされることもなくみんな素直に通してくれたのだが席にたどり着くまで15分ぐらいかかった。
阿鼻叫喚の2等車とうって変わって1等車は平和と静寂が支配していた。近くの席にはサイクルジャージに身を包んだ熟年夫婦などもいる。列車に数時間乗車するのにあらかじめジャージにレーパン着用とはずいぶん気合が入っている。
右)このラックに番号が振られていて指定されたとこに置く。
左)1等車はコンパートメント
ケルン以南は車内に平穏が戻り、車窓は田園風景と美しい街並みが続き、やがてライン川に沿って南下していく。ライン川沿いにも自転車道(Rheinradweg)が整備されており、車窓からも行き交うサイクリストを多く目にした。谷の両側の丘にはところどころ城が点在する。あれらの城を巡りながら川沿いに走るのもよさそうだ。
最初の日の宿はマウルブロンに近い小さな町エティスハイムに取ってある。
途中ハイデルベルクを過ぎたあたりから雨が降り始めており、少々気が重い。
ファイヒンゲンで降りたときもけっこう降っていたのでのっけから雨具着用の上で走り出す。
ファイヒンゲンまで乗ってきたICを見送る
エンツ川沿いの自転車道に出るためにまずは駅から旧市街を目指す。幸い雨も止んできた。
ファイヒンゲンはガイドブックにも出ていない無名の町だし通りすぎるつもりだった。ところがどっこい、着いてみれば美しい木組造りの家並みが保存された小さな宝石箱のような街だったのだ。いきなりドイツの本気を見せられた気がしたサプライズであった。
観光客も見当たらず、ローカルのまったりとした時間が流れる。
もっとゆっくり観光していきたかったがここからエティスハイムまで20㎞走らなければならない。先を急ぐ。
旧市街を出て自転車道へ。丘の上にはお城も
エンツ谷自転車道 Enztal Radweg はシュヴァルツヴァルト北部のエンツ川源流からシュトゥットガルト北方のヴァルトハイムでネッカー川に注ぐまで川沿いを走る107kmのコース。今回走ったのは短い区間だったが、沿道にはさらにファイヒンゲンのような無名の美しい町がありそうな感じだったのでこちらを走るのもよい旅になるだろう。
川沿いに快走
ぶどう畑の中を行く
途中のミュールアッカーの村から川筋をはずれて農道をたどりエティスハイムを目指す。
途中の無名の村ロマースハイム Lomersheim。
エティスハイムに到着。木組みの家並みが残る小さな町。
朝食付き50€
まずは一杯。