Kawage - Takatuki - Kinomoto - Shiozu (Day trip from Hikone)
きのう通った鳥居本宿から中山道と分岐し、琵琶湖沿いに北上、山を越えて日本海側に出るのが北國(ほっこく)街道である。
今日はこの街道沿いの街を訪ねながら琵琶湖北端の塩津宿まで走る。
今日も主な交通の流れからは外れたしずかな道を辿っていこう。
・SLを撮れなかった件
米原から岐れた北國街道の次の宿場は長浜だが、すでに去年の旅で訪ねたので今回は省略し、その先の宿場である速水から走り出すことに。
沿線に大学があるので若者でそれなりに混んでいるが、加えてなにやらカメラや撮影機材を担いだ鉄関係とおぼしきオタ人らも結構乗っている。車窓を見やると沿線には三脚を立てて陣取った撮り鉄が、とりわけ田んぼのあぜ道や鉄橋付近といった撮影好適地にはわらわらと蝟集している。なにか特別な列車が通るのだろうか。
わたしが降りた河毛駅でも少なからぬ鉄が下車して散っていった。
そのあと駅から離れて速水の町に向かう田舎道を走っていると、ふいに彼方で汽笛が聞こえた。
そうかSLが走る日だったのか。
ここからは線路は見えないが田んぼの向こうに煙がたなびいているのが見える。ひょっとしたら見られるかもしれないと線路のほうに急いで駆けつけて見るとちょうどSLの牽く列車が通り過ぎるところで、自転車を停めて慌ててカメラを出している間に走り去ってしまい写真は撮りそこねる。
SLはC56型だった。東北ではまず見られない機関車だったのでじつに惜しいことをした(「SL北びわこ」号として毎年米原-木之本間で運行されているそうな)。
・速水の街並み
そんなわけで気を取り直して速水に向かう。
速水は正式な宿場町ではなかったが街道沿いに栄えた街。
古い家は街並みを成すほどではないが散在していた。
Googleストビュー(2013年撮影)では藁葺き屋根だったが瓦になっていた家
・高月 Takatsuki
次に通ったこの街も北國街道に面してはいるが宿場町ではない。
この街は20余りの寺社に国宝の十一面観音像はじめ20体もの観音像が鎮座することから「観音の里」の看板で売っている。
古い家も散在する
渡岸寺本堂 ありがたい国宝の十一面観音像が鎮座する(拝観は省略)
近くの神高槻神社
旧街道をさらに北上、次は木之本宿へ。
・木之本宿 Kinomoto
北國街道にはここから中山道の関ヶ原にショートカットするルート(脇往還)があった。その分岐点として栄えた宿場が木之本宿である。
当時を偲ばせる家並みが整備保全されており、観光客もあまた訪れる。
旧滋賀銀行木之本支店。いまは観光案内所。
・塩津まで to Shiozu
北国街道は木之本から先、山を越えて北陸に向かうが、そちらとは岐れて琵琶湖湖岸に延びる静かな道を辿っていく。
豊臣秀吉で名高い賤ヶ岳のふもと、大音集落にも静かな農村の家並みが。
賤ヶ岳から湖岸に張り出した山を、並行する国道8号は長いトンネルでぶち抜いているが、旧道は行けるところまでうねうね登ってから短いトンネルで抜けてまた湖岸に下るという地道なルート。通る物好きはサイクリストぐらいのもの。
地元のローディーには人気の坂らしく何台にも抜かれたりすれ違ったり(西から登る方がきついようだった)。
小径車で登る物好きもいる
頂上のトンネルを抜ける。
トンネルを抜けた眺望ポイント。
ガーっと下って湖畔へ。下に見えるのは国道8号。
・塩津の街並み
琵琶湖北端の町 塩津。
かつて琵琶湖水運の港町として栄えたが、今は静寂に包まれた古い家並みに面影を残すのみ。
今日の走行はこれでおしまい。この続きはまた明日ここから走る。
・彦根に帰る Hikone
ゆるキャラひこにゃんが大人気とあって、あたりには「ひこにゃん音頭」が大音響で鳴り響き、「ひこにゃんひこにゃんひこにゃんにゃん♪」というリフレインが宿に帰ってからも耳の奥に残ってとんだ迷惑である。
観光客もあまたわらわらとひしめいていた (もう夕方なのに駐車場に入るクルマで渋滞していた)。まあ観光地が賑わうのは良いことである。
お城というのはある程度離れて遠くから眺めるのがいちばんいいのかもしれない。
当地のB級グルメとして鳴らすところの近江ちゃんぽん。麺は中華麺なので、これは普通にタンメンではないだろうかとの印象。
スーパーで買った鯵のなめろう。関東以北で言うたたきじゃん。
明日は近江塩津から琵琶湖西岸を南下します。