メロウなvéloで行こう

おもに小径折りたたみ自転車で東北各地、ときに日本各地や海外を走る話

Dahon K3を買った話

サドルは余っていたビアンキのやつに交換


かれこれ20年以上あらゆる交通機関輪行する人生を送ってきたわたしが、輪行の容易さを突き詰めて辿り着いたひとつの終着点がブロンプトンであった。

しかし畳むと圧倒的に小さいとはいえ12㎏を越える鉄のカタマリはやはり重い。担いで階段を登ったり列車の時間に遅れそうになって走ったりするうちに、走りはそんなでなくてもいいからもっとラクで軽い輪行人生はないものかと思い始めるのが凡夫の性というものである。


そこでまず考えつくのがキャリーミーであった。

実際にブロンプトンのオーナーでこれも所有している人は少なくないようである。みな似たようなことを考えつくのだ。

しかしシングルギアと超小径タイヤから想起される走行性能と、約10万という値段に二の足を踏んでいた。


そんな時に発売された新型車がDahon K3であった。

14インチ、3段変速、なにより7.8㎏(ペダル抜き)という未体験ゾーンの軽さ。

これこそわたしが求めていたものではないかという天啓が閃き、遂には購入に至ったのである。

色は赤、白、黄色の3色がある。赤はマット仕上げで如何にもシックでカッコいい感じなのだが、わたしが自転車に乗る際に身に着けるものは圧倒的に青と緑系統が多いので赤い自転車との相性は甚だ宜しくない。これは15年前にBD-1の赤いやつを買った経験から得た真理である。

よって白いのに決定した。

(その後さらに青と緑の新色が加わった。なんかくやしい)


乗って走ってみるとおお見るがいい、トップの9Tで踏み込むとずいぶん飛ばせる。

他の小径車と大差ない速度で巡行できるのではないか。

もっともわたしはかつてBirdyカプレオが出て買った当初トップ9Tでかっとぶのが気持ちよくてヒャッホーヒャッホーとのべつ幕無しに踏みまくり過ぎ、ギアが摩耗して歯飛びを起こし交換に至ったことがあるので自重したい。

残りの2段は13T=街中をゆるゆる流す、17T=登り坂専用という感じ。真ん中が11Tぐらいならより望ましいと感じるのはわたしだけではあるまい。


なにより軽いぞ7.8㎏。

わたしはマンション住まいであるため、普段駐車場のクルマの中に畳んで積んで置き必要に応じて降ろして乗るという、旧海軍機「晴嵐」のような使い方なのだが、荷室から降ろしてひろげてという一連の作業がブロンプトンなどに比してもずいぶんラクである。

全体的に小さくて取り回ししやすいことと見かけによらぬ走行性は「自転車に乗って出かける」という行為の敷居を著しく下げる効果があり、以来毎日のように大した用事もないのに近所の市街地をあちこち走り回っている。


そうなると次は「これは旅に使えるか」と考えはじめる。

荷物の積載に関しては、ネットで見るとリアキャリアを装着した例も見つけた。その上で折り畳みにも支障はないようである。

それならばブロンプトン流の「リアにバックパック&フロントに何かしらのバッグ」で従来の旅ぐらい、合計50-60㍑の荷物は積載できそうである。

あと、以前買ったままいまだに実戦に供していないTravoyにバックパックを積んで牽くのも一興であろう。輪行時に荷物は背負い、畳んだK3をTravoyに載せ押して歩くという方法も考え得よう。


折りたたんだサイズは公称65/59/28㎝。ブロンプトンが59/58/27㎝であるから数値上は僅かに嵩張るように見えるが、ディメンション一杯に張り出すブロと違って構造物以外の隙間が多いのでより小さく感じる。


K3の特性を活かした旅の適応を考えるに:

・複数回の折り畳みを含む輪行ポタリング旅(東京とか台北とかの大都市圏)

・路線バスでの輪行

・乗って降りて走ってまた乗るみたいな乗り鉄サイクリング旅

等に有効性が見込まれ、今後の活躍が期待される。


K3の横寸65㎝とはいえ上半分は空白が多い

定価が8.2万+税、その後Amazonでは税込7.3万ぐらいまで下がっているようで、7.9万で買ったわたしはぐぬう...となったが、おまけとして純正輪行袋と三ヶ島Ezyペダル(計1万前後相当)が付いてきたこともあり、まあ寛大な気持ちで勘弁してやる。