Day2 ターボルまで輪行 To Tabor by train
Day1 ↓
目が覚める。ここはどこだろう、おおそうかプラハか。
旅の始まりはいつもそんな心弾む驚きの朝を迎える(ただし時差で寝起きはめちゃくちゃ悪い)。
朝食もそこそこに部屋で自転車を組み立て荷造りをする。
今回の自転車旅の荷物はリクセンカウルのデイパック(24l、フロントに装着)と巾着型のマッチパック(20l、シートポストに装着)のふたつに分けて積む。(後記:今思えばよく合計44lとか少ない装備で旅行してたなと思う。当時は各種デジタルガジェットを持ち運んでなかったこともある。その後の旅では計60〜70lが標準となる)。
小径折り畳み車ならではの装備だ。従来のパニアバッグでの旅に比べれば容量は少ないがはるかに機能的である。
ホテルショパンは旅から戻って帰国前日にふたたび泊まることになっている。
自転車を入れてきたケースはじめ、旅行中に使わない物をフロントに預けてから、昼過ぎに中央駅に向かう。
今回の旅はチェコの南部、オーストリア国境に並行してボヘミアからモラヴィア地方を西から東に走る旅程を組んでいる。
まずはとりあえず南のほうへ向かう列車で輪行する算段である。
1340発のチェスケ・ブヂェヨヴィツェ行きに乗る。
終点のチェスケ・ブヂェイェヨヴィツェは数日後に自転車で訪ねる予定の街だが、今日はプラハとのちょうど中間点あたりに位置するターボルで下車する。運賃は132Kr(1等)。
これまでヨーロッパのほかの国で自転車を積んだ時と同じく、直接荷物車に持っていって車掌に手渡す。自転車代は80kr。
ドイツやフランスの中長距離列車じゃもう走ってないような6人掛けコンパートメントの客車。汽車旅気分が俄然盛り上がる。
プラハからターボルまでは距離にして90km足らず、70分あまりの乗車… の筈だったのだが、途中に工事運休区間があるとかで、ベネショフという駅で運行終了となる。
そこで乗客全員下ろされて代行バスに乗り換えるということだ。(なら行き先をC. ブヂェヨヴィツェと書くなよ)
自転車はどうなるんだと思ってると、代行バスの後ろに付いてきたトラックの荷台に乗せて運ぶというこれまた豪快なスタイルだ。
チェコ国鉄ではこのように工事区間運休+バス代行輸送を強いることが少なくなく、このあとの旅でもしばしば遭遇した(一回の旅で一度ぐらいの割合)
代行バスは運休区間の駅にいちいち立ち寄っていく。その多くは小さな町の外れにあるなので主要道から外れた田舎道を通っていく。このような道をこれから毎日走るのだなあと旅の期待が高まるのだった。
運休区間を過ぎたところの駅でふたたび別の列車に乗せられ、無事ターボルに到着。
ターボル駅のプラットフォームで自転車引取りを手伝ってくれた駅員さんはなんと日本語を勉強中とのこと。「カンジ、ムズカシデス」という発音もなかなかのものであった。
町外れの駅から旧市街に入っていく。ひさびさのヨーロッパの地方都市の空気だ。いいなあ。これだよこれ、俺が求めていたのは。
ターボルは15世紀に反カトリックのフス派が軍事拠点として築いたのが発祥の町。そのため市街戦に備えて裏通りや路地が迷路のようにややこしく作られており、今もその名残がある。
ツーリストオフィスで紹介してもらった宿、 Pension Jana
長らく遠ざかっていたヨーロッパの家庭的なB&Bのよさを思い出させてくれる。
とりあえずターボルに一泊して、明日から走り出すのである。
朝食付き600kr
夜の散歩