メロウなvéloで行こう

おもに小径折りたたみ自転車で東北各地、ときに日本各地や海外を走る話

2005 BD-1で走るベトナム・メコンデルタ Day4

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Day2  ミトー-ベンチェー My Tho - Ben Tre

(地図は作成日である2012年になってますが2005年です)

Day1はこちら👇

mellowyallow.hatenablog.com

 

 

ホテルの朝。今日も披露宴の準備をしている。どんだけ結婚するんだベトナム人

朝食は近くの食堂に食べに行く。焼きそば、目玉焼き、そしてバインミーバインミーはこの後も朝食の定番になるがやはりとても美味しい。

 

サイゴンでまつわりついてきたのはバイクタクシーの客引きだったが、ここミトーではジャングルポートクルーズの客引きだ。

ジャングルボートクルーズはミトー名物の外国人向けアトラクションだ。小舟でメコン川や入り組んだ水路をクルーズするという、ベトナムの水郷といったところか。

ホテルに戻る途中もボートクルーズの客引きががまとわりつく。だいたいは数人のグループで一艘の舟に揺られて行くというものだが、見ず知らずの外人と団体行動はうっとうしいなあと思い、クルーズの客引きはバッサバサと斬りすてて歩いていた。

しかしある客引きが一艘貸し切りツアーはどうだという。値段もまあ貸し切りと思えばそんなに高くないと言った程度。加えて30代と思しきその男はほぼ完璧なアメリカ英語を流暢に話した。米本土に住んでいたことがあるという。こいつがガイドしてくれるなら何かとラクだろう。そう思って昼からの2時間のクルーズで手を打つことにした。

 

昼に指定された船着場に行ってみるとさっきの客引きの男がいた。傍らに小さな船がつないである。船頭はおばちゃんでなぜか小さな男の子も乗っている。

これがあんたの船だ、それじゃエンジョイ。と言うや男はバイクにまたがってどこかへ行ってしまった。

待てこらお前がガイドしてくれるんじゃなかったのかよ。

 

おばちゃんはおそらく男の奥さんだろうか。英語は全く通じない。ボートが出るが男の子も乗ったままだ。助手か。

言葉の全く通じないクルージングツアーの出発である。船はマングローブやヤシの木が生い茂るジャングルを塗って進んでいく。自転車とはまた違った野趣があってこれは大変よい。

 

 

客引きとおばちゃんの息子とおぼしき小僧、このように外国人を案内するのに慣れていてみんなに可愛がってもらうのだろう。人懐っこくて利発なやつだ。

会話帳を見ながらお互い片言で話をする。名前はリー、9歳。アメリカのロゴが入った帽子をいい帽子かぶってんじゃんと言ったらアメリカ人の客にプレゼントされたという(たぶん)。

そのうちこちらは日本語、リーはベトナム語でお互い言いたいことを言っていたらなんとなく意思が通じるようになった。どこの国も子どもというのはそんなもんである。

 

 

リーとふたりで舳先に座って過ぎる景色を眺めていると、すれ違う舟の西洋人ツーリストたちがわたしにカメラを向ける。タンクトップと短パンというベトナム度の濃い服装もあって多分わたしを現地人だと思っているのだろう。

今ごろ欧米のどこかの家庭にわたしの写真があってそれを見てオー、ローカルボートマン、ウィズヒズサン。ラブリー、とか話をしていると思うと愉快なものがある。騙してすまんな西洋人。

 

 ジャングルの中の水路をのんびりクルーズしているだけでも楽しかったのだが、一応いくつかの名所に連れて行かれる。着岸と離岸の際はリーも操船を手伝う。案内するのはもっぱらリーの仕事で、おばちゃんは船で待っている。あまり興味はなかったけれどリーが先に立っておいでおいでよというので不承不承上陸して見物する。

と言ってもこのガイドはベトナム語しか喋らないのでわたしは連れてこられたところが何なのかよくわからない。現地の英語の説明を見て初めて理解する形だ。

 

まず来たのはフーン(フェニックス)島。龍のトーテムポールが立ち並び何やら謎の遊園地もしくは不思議ワンダーランドといった感じだが、これはココナツ教団というかつての宗教団体の総本山跡なのだった。

ココナッツ教団とは何かというと、仏教とキリスト教の教義をごった煮にした上で世界の平和を祈りつつココナッツだけを食べて生きていこうという、健康にいいんだか悪いんだかわからない謎の宗教であったということだ。ベトナム統一後共産政権により教団は禁止されてしまったがこの施設はおもしろ観光施設として今も残り、国際的ネタとしてツーリストに人気だ。

よくわからないがおもしろオブジェがあったのでリーを入れて撮る。後で調べたらこれは教祖の墓だった。すまんリー。

 

 

さらに行くと別の部屋では伝統音楽ライブをやっていた。世界のトラディショナルミュージックを好んで聞いている私としてはこれは非常に楽しく聞かせてもらった。リーはつまらなそうで早く戻りたい感じだったが。

 

 

全体的によくわからないままココナツ教団をあとにする。

 

次に連れて行かれたのがココナツ飴の工場。

この辺りの名産らしく製造直売コーナーのようだが試食品だけもらってリーにもあげる。

 

工程によっては勤務態度がゆるいやつもいる。

 


ココナツ教団とココナツ飴工場のココナツコースが2頭のジャングルクルーズの定番であるようだった。

休みの日に息子を遊びに連れて行くお父さんのような気分になれてこれはこれで楽しいひとときであった(連れて行かれたのはわたしだったのだが)。

 

2時間のクルーズを終え、宿に預けてあった自転車を回収して走り出す。

1日の前半をリバークルーズに充ててしまったので今日は近くの町まで走って早々に投宿することにする。

さっき遊んでいたメコン川を渡って20キロ足らずで隣のベンチェの町に着く。

 

 

ミトーと違ってこの町はツーリズム色はほとんどなく、初めて客引きの寄ってこない街だ。ベトナム人オンリーの日常が回っているという印象を受ける。

 

遅い午後の街をポタリングする。

この町も活気の中心は市場だ。

 

これはニワトリ屋。アヒルっぽい鳥も売っている。

でかい秤があるから値段は従量制なのだろう。

おそらく食用だと思われる。なるほど肉を買うよりも生きたまま買って帰れば日持ちもするし、サービスで卵も産んでくれるかもしれない。

 

 

 

商店街の裏は舟の納品口になっている。

ココナツの納品です。

 

 

ベンチェの宿 Huong Vuong 。

昨日の宿がチュオンドゥオンで今日はフオンヴオンだオン。

 

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 1泊25USD。今日もリバービューの部屋。

 

今日もメコンに夕日は沈むのだった。

 

 

(旧ver. 2012/09/04に全面加筆)