メロウなvéloで行こう

おもに小径折りたたみ自転車で東北各地、ときに日本各地や海外を走る話

2006 タイ北東部 NE Thailand Day6-7

 
Day6  マハサーラカム - ローイエット Maha Sarakham - Roi Et
 
今日も同じような乾いた風景。たまには田んぼでも見てみたい。
ローイエットまでは国道で一直線だが、車の少ない田舎道をアミダくじのように縫って東に向かう。そんな道なので途中20km余りも食べ物屋が無かったりした。
 

きょうも変わらぬ風景
 
 


お昼はバーミーナム(汁そば)

ロイエットは大きな街でホテルも数多くあるので余裕こいた気分でいたのだが、目ぼしいホテルはどこも満室で次ぐから次へ断られる。
聞けばタクシン首相(当時)が現在この地方を歴訪中で、お付きの政府関係者やらメディア関係者やらが大挙して訪れ宿を片っぱしから押さえているかららしい。迷惑だタクシンの野郎。
 
仕方ないので街中のぼろい安宿で手を打つ。Sathip Hotel 180B、エアコンはないので天井扇を付けるとぐおんぐおんと地獄のような音を立てる。お湯も出ない。なんならここって連れ込みとしても利用する類いの宿なんじゃないのか。そうなると連れ込むおねえちゃんもいないわたしは侘しさが増幅する。
と言ってもオーナーのおっさんは親切だったし、一日走った後ではぼろい部屋で飲んでもビールはうまい。でもガムテープでふさいでる網戸は張り替えろ。
     

そんなローイエットだったが夜市は充実していた。
ここ数日マイブームの海鮮辛味噌炒めごはん。
 
この地方の道、日陰が少なく、緑が少なく、集落もまばらだ。あと食べ物屋でライムが出ない(他地方だと絞ってかけるやつ)。
緑濃く、風涼しく、隣の集落がすぐに現れてホッとし、おかずにライムをギュッと絞って酸っぱみでシャキッとするタイ自転車旅行のヨロコビがどれも損なわれているのではないか、人生これでいいのか、と思いはじめてきた。



Day7  ローイエット - ヤソートーン Roi Et - Yasothon

ローイエットは観光名所もあまりないが、まあお寺とか見る。
 
今日も暑い。そして同じ景色。
たまには田んぼとかジャングルとか滝とか出してみろ!とひとりで怒りながらペダルを踏む。
 
牛にも気をつけよう
 
 
ヤソトーンに着く。
果たせるかなここもホテルは満室祭り。タクシンの野郎許さん!今度会ったらガツンと言ってやる!と憤るがタクシンに会う予定はとくに無いのだった。
 
しかし満室だったホテルのお姉さんが親切で、電話かけて空いてるホテルを探してくれた。おかげで労せずしてこのVarothon Hotelに落ち着く。
昨日よりはだいぶ小ぎれいな部屋400B。エアコンはあるがお湯は出ない。
 
ヤソトーンはやたらに小綺麗な食堂が多くておどろいた。レストランと呼んでも差し支えないような構えだ。
グルメの街なのか?、てことは高かったりするのか?と思いながらその中の一軒に入ったらメニューは普通のタイ食堂だったし値段も普通だったし普通においしかった。

 
 
またも海鮮バジル炒めとオムレツ(食いかけで見えず)に走る
 
当初はさらに東へ、2年前にメコン川沿いに走ったときの終着地であったウボンラチャタニーまで走るつもりだったが、旅の前半を終わってこの地方の風景の単調さに疲れてコースを変更することに決めた。でもどこを走る?
とりあえずイサーンの中心都市ナコンラチャシマー(コラート)に移動してこの先のことを考えることにする。


Day8  ヤソートン-(バス)- ナコンラチャシマー 
    Yasothon -(bus)- Nakhon Rachasima
 
宿のテレビは衛星放送でNHKが映った。
そこで朝「おはよう日本」を見ていたらホリエモン逮捕のニュースが。そのため日経株価も大暴落している。いわゆるライブドアショックである。
当時わたしはライブドアオートその他の株に投資していて、しょぼい利益も上げていた。そのためつい油断して、旅に出る前には一旦手じまいしておくという鉄則も守っていなかった(当時はネット証券はあったものの、まだ今のようにアプリ等で手軽に売買できる仕組みは無かったし、端末を持って旅するようになるのはこの数年後からである)。あわてて近くのネットカフェに出向き、損切りして資金を救出した。含み益はもちろんチャラどころか少なからぬ損になってしまった。それにしてもこのタイミングでNHKのニュースを見ることのできる宿に泊まっていたのは天佑というか、普段の行いの良さのおかげというか。知らんけど。
 
朝食は近所の食堂でカオマンガイ。左のピリ辛ソースが決め手
 
そんなこんなで心破れて昼過ぎのバスに乗り、ナコンラチャシマー(コラート)へ向かう。
車窓からの眺めはこれまで自転車で走ってきた風景と全く同じだ。その乾いた景色は時折立ち寄る小さな町以外は4時間半ずっと続いた。
 
バスに4時間半揺られてコラート着。
 
久々に大きなホテルでのんびりだ!と思ったが1200Bの部屋にしては狭めで見掛け倒しだった。まあ2日ぶりの熱いシャワーとバスタブの風呂でよしとする。
 
せっかく大きい街に来たので、夕食はデパートのフードコートに行ってみる。
タイスキ(タイ風スキヤキ)とカレー2種あいがけ。