メロウなvéloで行こう

おもに小径折りたたみ自転車で東北各地、ときに日本各地や海外を走る話

2005 BD-1 で走ったバリ・ロンボク Day7

Day7
ティルタガンガ - パダンバイ -(フェリー)-レンバル(ロンボク島
Tirttagangga - Padang Pai -(ferry)- Lembar (Lombok)

 

バリ島の旅も今日が最後だ。

港まで降りてからフェリーに乗り、隣のロンボク島に渡る。

 

 

この宿も棚田ビューでまことに充分に心地よい部屋なのだが、昨日のシドムンの宿のスペシャルエグゼクティブスーパービューバンガローがあまりにも素晴らしすぎたので相対的に見劣りしてしまう。

 

 

今日のルートは丘の上から海岸に向かって走っていくので、下り基調で気が楽だ。

 

途中の村のワルンでひるめし。

まな板の上に尻尾付きの豚のケツが鎮座している。つまりはもも肉だ。注文に応じてスライスするスタイル。

 

標高が下がるにつれ風景が平らになってくる。

 

ついに海岸の町チャンディダサまで降りてきた。

久しぶりに見る海である。

チャンディダサはバジェットで気取りの無いビーチリゾートといった感じで、西洋人もあまたうろちょろしている。

 

ここから港のあるパダンバイまで海岸沿いの道を辿ればいいんだから楽勝じゃんと思ったが、それほど甘くなかった。その先の地形はリアス式よろしく山が海沿いまでせり出しており、道路は内陸を小さなアップダウンを繰り返しながら西に向かうのだった。

 

パダンバイの港に着いた。

15時発のフェリーに乗れることになった。いい按配である。

ロンボク島のレンバル港までは順調に行けば3時間で着くらしい。今日は天気もいいし順調に違いない。向こうに6時頃着けば島の中心の町マタラムまで走って泊まれるだろうからちょうどいい。

 

文字通り大船に乗ったつもりになり、天気もいいのでデッキに陣取って潮風を味わう。

こんな日に船室にこもっているなんてもったいない。

 

しかし出航してしばらくして外海に出ると、意外に波が大きくなり風も強い。船もずいぶん揺れる。上天気なのにこんなの予想外だ。

しかも1時間以上経ってもぜんぜんバリ島が遠ざからない。いったいこの船はちゃんとロンボクに行く気があるのだろうかと疑念を抱く。

 

海の上で強い風に吹きさらしなので、日が傾いてくるとデッキはだんだん肌寒くなってきた。

しかし船室もずいぶん混み合っているので今更入って行ってものんびりできる席がない。仕方なしに持っているシャツを全部重ね着してデッキで丸まっている。

寒いとおしっこに行きたくなるが、トイレがまた地獄のようにボロくて汚いので閉口した。

 

出航して3時間経ち4時間経ち、うとうと一眠りして起きたらもう日も暮れて真っ暗だ。

時計を見たら8時を過ぎている。それなのにまだ着く気配がない。

デッキでは若い兄ちゃんたちのグループが、ボロボロのギターを弾くやつを囲んで、みんなでやけくそのように声を張り上げて歌っている。なんだか遭難しかけている登山隊のような雰囲気になってきた。眠ったら死んじゃうのかもしれない。

(この日はこの先写真が1枚もことからも困憊ぶりが窺える)

 

やがて島影が見えてきたが、陸の灯りが見えない。一体どのあたりが港なんだろう。

やっとささやかな明かりが見えて小さな村があるなと思ったら、そこがレンバルの港だった。

 

夜9時ロンボク島上陸。

所要堂々の6時間。誰だ3時間とか言ったのは。

船に乗ってただけなのにぐったり疲れた。

ここはバリ島と違って道路の照明もないに等しい。これから暗い夜道を走ってマタラムまで行く元気もない。さてどうするか。

レンバルの薄暗い小さな町を見渡したところ、宿屋らしきものがあった。助かった。今日はもうここに泊まろう。

1泊5万ルピア。これまでのリゾートの値段に比べたら1/4とか1/5の値段だ。もちろん快適さもお値段相応である。

船上で体が冷え切ったところに、水しか出ないシャワーを浴びたら、寒くて歯がガチガチ鳴った。熱帯の島で歯をガチガチ言わせて震えるのも稀有な体験であろう。

 

ロンボク篇につゞく…