メロウなvéloで行こう

おもに小径折りたたみ自転車で東北各地、ときに日本各地や海外を走る話

2015 オーストリア&スロヴェニア ブロンプトン旅 AU&SV Day3

 

ウィーンからブルック・アン・デア・ムーアまで輪行

          Wien - Bruck an der Mur (train)


 山と谷だらけのオーストリア。しかし昨年走ったドイツ同様、この国の谷あいを流れる川は長い距離をさほどの高低差もなくうねうねと流れる。そんな川沿いには自転車道が整備されている。そこを走ろう

 当初の目的地はスロヴェニアだったのだが、せっかくだから隣接するオーストリア・シュタイアマルク地方のラクそうな道も走ろうじゃないかと考えた。それで国境に至る道を物色した結果見つけたのがムーア川自転車道(Murradweg)だ。そのうちでも最も閑静そうな区間を走ったのち、国境を越えてスロヴェニア入りするというルートを作ったのである。

旅の最初は、まずは西から流れてきたムーア川がウィーンからの鉄道と合流する町、ブルック・アンデア・ムーアまで輪行する。

 

 

旅の概略図

 

 

 宿を出てウィーン・マイトリンク駅に向かう。ここを発/終着とする列車もあるぐらいのけっこうな規模の駅だが、なんと無人

 

 折しも、前日ウィーン西駅でも目の当たりにした中東難民の大量流入が続いているため、オーストリア国鉄の運行にも混乱が生じていた。構内放送ではハンガリーから来る国際列車と、ハンガリー国境の駅ニッカースドルフに通じる路線が運休になったことを伝えている。

プラットホームに向かうと、これからドイツに向かう難民と思しき中東系の人たちを含むたくさんの乗客で騒然としている。これらの人々はハンブルク行きの列車にどっと乗り込んで去っていった。
 

 続くグラーツ行きもチェコプラハから来るので混むんじゃないかと戦々恐々だったが、手前のウィーン中央駅で大半の客が降りていったようで(座席の予約票を見るとわかる)スカスカ。まずはホッとして着席。

ブルック・a/d・ムーアまで2等で29.8€。自転車は折り畳めば無料である(袋も不要)。

 

 
 

プラハ始発の国際列車。車両もチェコ国鉄。hl.nはチェコ語フラヴニ・ナドラズィ、Hbfは独語ハウプトバーンホフ。いずれも「中央駅」

 

 

ブロンプトンは車両中央の荷物置き場に余裕で鎮座

 

 

1103発の列車は5分遅れで出発。

しばらくは面白くもない大都市近郊の風景だったが、15分もするとなだらかな丘と葡萄畑が続く緑のパノラマとなる。

進むにつれ丘がだんだん迫ってきて山になり、山岳路線として名高いゼンメリンク鉄道に入る。山形新幹線の福島―米沢間の車窓風景で月山新道を走る路線といった趣で、大きくループを描きながら高度を上げていく。(ちなみに向かって左側の座席が眺望を楽しめる)。
買っておいたパンとワインで昼食をとりつつ車窓を楽しむ。
行き過ぎる山あいの町や村はWWⅡの破壊を免れたドイツ、もしくは社会主義時代のイケてない建築が無い東欧、といった感じのいい古び方で風情がある。

 

 

 
 
 

しばし車窓からの眺めをおたのしみください



 

ゼンメリンク峠を越えると視界が開けて谷筋を下っていく



2時間弱でブルック・a/d・ムーアに到着。

こじんまりとした心地よい街




 

ムーア川に面した今日の宿Baderhaus

17世紀築の共同浴場跡の古い家をリノベートしたB&B。(ウェブサイトで全6室をのぞけます)

 

自転車は畳んで物置に。ねこがセキュリティ
 
53€朝食付。全6室それぞれテーマを持ったインテリアで、この「Klavierzimmer」(ピアノルームの意)という部屋、その名の通り机がなんとピアノ!他も室内は時代物のアンティークがたくさん。最近の欧州の宿はどこもIKEAに浸食されて個性がなくなっちゃった部屋が多いけどこういうのはいい。

 

 
 

この机欲しい

 

 


建物の中もなんかいろいろ重厚

 

 



宗教画によくある「羽が生えて飛んでる天使の首」の実写版だがこわいから勘弁して


音は出ない

宿のレストランも街のよさげな食事処もどこも月曜定休!


開いてたインビス(軽食堂)でローストチキン定食


帰り道に商店街のウィンドウをのぞく。伝統衣装ジャケットいいな。

 

 

女性の伝統ドレスはこちらになります


猟具店では普通に猟銃を売ってる


拳銃もおひとついかがですか

 

明日からムーア川自転車道サイクリングのはじまり。。。


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