メロウなvéloで行こう

おもに小径折りたたみ自転車で東北各地、ときに日本各地や海外を走る話

2017 ブロンプトンで浜名湖をだいたい一周した話

2017.3 ブロンプトンで冬の愛知静岡 Day6

浜名湖(だいたい)一周 Lake Hamanako round trip
 
強風のためフェリーが欠航になり、伊良湖岬にたどり着けなかったわたしは、不承不承渥美半島をあきらめ、輪行でひとっとびに豊橋にやってきた。
今日より当地のホテルアソシア豊橋を拠点とし日帰りサイクリングに勤しもうと画策したのである。
歳を重ねるごとに大きな荷物を積んで街から街へ移動する形式の旅はめんどくさいと思うようになってきた。拠点型の旅は所帯道具は宿に置きっぱなしで身軽に走れるから、いろんなことがめんどくさくなってくる年頃のおっさんにはラクでここちよい。
 
豊橋から東に目を向けるとすぐそこは静岡県うなぎパイで名高い浜名湖もほど近い。
うなぎと同じぐらい名高いのが浜名湖に沿って一周するサイクリングロードだ。最近ではハマイチと呼ばれてもいるらしい。
湖畔に沿っているならば起伏も無きに等しいと想像され、折角近くまで来たしちょっと気軽に一日を充てて走ってみようと思い立った。
 
サイクリングロードと言っても地図を見れば、西側の多くの区間は車道をなぞるコースになっている。その区間は風情に欠けあまりのんびり走れなさそうなことが予想された。
よってその10数㎞は割愛し、自転車専用道が多くを占める残りの区間を走ってだいたい一周したことにしようと考えた。

 
出発はJR東海道本線鷲津駅とした。豊橋からほんの15分である。
電車に乗りこんでみると車内はなにやら競艇新聞を手にしたダウナーなおっさんで一杯である。浜名湖には鷲津を最寄り駅とする浜名湖競艇があり、近在の各地からダウナーおじさんが集まりひしめくのだった。
 
鷲津駅でダウナー競艇おじさんの群れに混じって吐き出されたわたしはしかし、アッパーな気分でブロンプトンを組み立てて走り出す。
 
早く湖畔に至りたいと思うあまり駅から競艇場に向かう湖畔の道路を目指してしまいがちだが、そうすると競艇新大橋という、路肩が全く無く自転車では走るには不安な道路に導かれてしまう。
いわゆるハマイチのコースは、この道路と線路を挟んで反対側を並走する国道301号に設定されていて、そちらに合流するにはいちど競艇場まで戻らなければならない。
鑑みるに鷲津から走り始めたところで浜名湖っぽいメリットは何もないし、その先の国道301号も落ち着かない道なので、絶対に一周しないとイヤだというのでなければ二駅先の弁天島駅から走り始めたほうが苦痛がゼロという考察に達した。
 
そんなわけでようやく、入江をショートカットする浜名湖大橋(画像なし)を渡ったのち静かな自転車道にたどり着く。
 
春浅い東北から来た旅人は花に興ずる
通りかかった地元のおばあさんがブロンプトンを見て「ずいぶん小さいんだねえ、こういうのは見かけないねえ」と感心して去っていった。小径車あんまり来ないのだろうか。
湖水は意外にきれいだった。うなぎの養殖が名物なのも道理である。
 
湖畔の静かな自転車道はやがて湖畔随一のレジャー拠点である舘山寺地区に至る。
大型温泉ホテルやら遊園地やら遊覧船やらロープウェイやらの大衆レジャー施設が立ち並ぶほか、通りに連なる料理屋はぜひうなぎを食って行けと看板や幟で迫ってくる。
浜名湖に観光に来る民衆はこの界隈でうなぎを食するのが王道となっているようだった。まあしかしサイクリングのひるめしとして一人でもそもそと食べるには割高な料理だし今回は見送り、コンビニのサンドイッチを日向ぼっこしながら食するにとどめて退散する(舘山寺地区の画像はなし)。
 
湖畔のサイクリングロードでさらに北進する。
片手にひたすら湖水が続き、反対の陸側もさして変わり映えのしない風景であるので、どのあたりでどのような心象が去来したかあまり記憶がないのである。
よって話も割愛し、一飛びに浜名湖の北岸に至る。
北を目指してきたサイクリングロードはここに至って東西に延びる天竜浜名湖鉄道に出会って西に向かう。かつての国鉄二俣線だ。
 
その西気賀駅。味のある駅舎はそのままの形で洋食店として営業している。駅の機能は無人化されても駅舎がこのような形で存続していけるのはよいことである。
北岸一帯は観光わっしょいの東岸と比べると静かで、落ち着いた風情がある。





やがてみかんで有名な三ケ日の町に着く。
昭和の面影残るねむたげな商店街を抜けて駅へ。

三ケ日駅。有人駅だが半分はカフェになっている。
当初は三ケ日駅から輪行で帰るつもりだったが、次の列車まで時間もあるしもう少し走ることにする。ここからはほぼ国道301号線をなぞるコースであまり風情はない。

三ケ日から2駅先の尾奈できょうの行程を終わりとする。
列車と言っても単行だから列になってないのだけれど。
単線非電化の味わい
新所原駅にとうちゃこ。日もとっぷり暮れた。
JRに乗り換えて豊橋に戻る。
アソシア豊橋の部屋はステーションビュー。
3泊ともホテル=駅ビルの地下で惣菜を買って部屋でのんびり晩酌していた。豊橋の町には申し訳ないがぜんぜん駅の外に出てないのである。
 
明日は愛知県に足を延ばしレトロな町並みで人気の足助へ…
 

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