Day5 ポプラト - レヴォチャ - スピシュカ・ノヴァ・ヴェス
Poprad - Levoca - Spisska Nova Ves 47km
ケジュマロクを訪れた次は、これまたユネスコの世界遺産に指定されている街並みが評判のレヴォチャ Levoca まで走って泊まりたいと考えた。しかし予約サイトで調べるとどうしたことか、街に数軒しかないホテルがここ数日軒並み満室である。
サイトに登録してない宿もあるのかもしれないが、これまでも幾度か経験した「行ってみたはいいが泊まれるところがどこにもない」つらさを思い出すと一か八か突入する度胸もない。
そこで策を練る。レヴォチャに行ったあと、その先鉄道の駅のあるスピシュカ・ノヴァヴェス Spiska Nova Ves まで走り、輪行でS.ソボタまで戻ってきてまたもここに泊まろうといいう作戦だ。この居心地のいい宿にさらにもう1泊できるし、野原のダートや林道もある行程なので荷物を宿に置いて身軽に走れるという点もよい。
- レヴォチャまで
レヴォチャまでは山が多い地形だが、道路は山あいの谷を縫って一本道の30kmだ。別にそれを走ればいいじゃんと当初思っていたが、S.ソボタの街を出てしばらくすると、自転車レーンはおろか路側帯すらない、交通量の多いキビシイ道となる。すぐ脇をクルマが80㎞ぐらいですっ飛んで行く。
こんなのでレボチャまで行くのはたまらんと思い、どうにか田舎道をつないで走るルートはないかと地図を見て考える。谷間を行く道路は他にないので回り道しようと思えば山や丘を登ったり降りたりを強いられる。それでも遠回りとはいえサイクリング的には楽しいに違いない。
作戦を変更し、地図に点線で記載されているダートの道に入っていく。牧草地の中のダート、というかクルマは通れないようなフットパスで丘の草原を登って行く。あたりは小鳥の声が響きわたり、遠くに小さな村々が見渡せる。走るのはラクではないが、国道よりはずっとましだ。
作戦を変更し、静かな田舎道で丘を越えていく。北海道を思わせる風景の中、クルマも来ず別世界だ。この辺りはまだ舗装されていた。
ヴルボフ Vrbov は小さな町なのにやたらペンションがたくさん立ち並ぶ。
なんだろうと思えば「Thermal park」なる大きな施設があった。どうやら温泉プールを中心にしたリゾート施設のようだった。
ちょうどいいので近くのホテルでランチとする(グヤーシュ定食)。
やがて地図に点線で記載されているダートの道に入っていく。牧草地の中のダート、というかクルマは通れないようなフットパスで丘の草原を登って行く。あたりは小鳥の声が響きわたり、遠くに小さな村々が見渡せる。走るのはラクではないが、国道よりはずっとましだ。
しかし途中からはたしてこれがほんとに地図に記されている点線トレイルなのか心許なくなってくる。
よく見えないが心の眼で見れば道らしきものは確かにある。
折しも原チャリ2人乗り(いいのか)で通りかかった地元の中学生がいたので、身振りを交えて「この道、トヴァロジュナ(中間地点の村)、行く?」と訊く。
向こうのスロヴァキア語はもちろんわからないが、確かにこの道だけど、この先どこそこで左に曲がるんだよ、というようなことを言っているようだった。細かいことはわからないがこの道でいいのは確かぽいのでとりあえず礼を言って先に進む。
しかしその先、道はどんどんはかなげな踏み分け道となり、果たしてこれはそもそも道なんだろうかと不安になってきたころ、さっきの男子2人組が原チャリで追いかけてきた。そっち行っちゃダメ、戻ると丘を下る道があるから、トヴァロジュナはそっちだよ、という内容のことをいっしょけんめい伝えようとしている。わざわざそれを言うために来てくれたのか、ありがとう地元ボーイズ。
言われたとおりに戻ってみると、よっぽど注意しないと見落とすような岐れ道が確かにあった。
トヴァロジュナの村まで下り、ようやく舗装道にたどり着いてほっとする。
これで道なき道で丘を越える第一部は終わりだが、その先の第二部はダートの林道で山を越えるルートが待っている。
峠の村までは川沿いの快適な舗装道だった。登りも緩くて意外とラクだった。
峠からはダートの細い林道でレヴォチャに向かって下る。あとは下るだけなので気持はラクだが、展望はなく森が続くなか、随所に岐れ道もあるが標識は一切ない。地図とにらめっこしてもよくわからないので、とりあえずいちばん人通りの多そうなはっきりした道をたどっていく。もはや登山である(このあたり写真なし)。
- レヴォチャの街
林道を下り切ると視界が開け、谷あいの道がレヴォチャの街に導く。
期せずしてハードなライディングになったがとりあえず着いてホッとする。
旧市街に入ると中世の薫りを残すフォトジェニックな街並みが広がる。さすがは世界遺産といった感じ。
右手の教会から流れてくる讃美歌を聴きながら休憩ししばし癒された
ひととおりレヴォチャ市街の風情を堪能して、最寄の駅があるスピシュカ・ノヴァヴェスに向かって走り出す。平坦で交通量もさほど多くない道で11km。
見れば道路と並行して線路が走っている。バスのみならず鉄道の便もあるようだった。
ポプラドに戻る列車に無事乗り込む。所要30分余(急行だと20分)。
今日もPenzion St.Juraj 泊
この色が落ち着くんだよな…