メロウなvéloで行こう

おもに小径折りたたみ自転車で東北各地、ときに日本各地や海外を走る話

昔のバッグをリクセンカウル化した話。

断捨離などということが昨今流行りである。


モノを無慈悲にどんどん捨てて身軽になるのがクールみたいに言われているが、わたしは逆に「持っていればいつか役に立つことがある」という主義である。


もう10年以上も前、仙台のマンションから引っ越す際、思い立って持ち物の半分近くを処分した。そしたら勢いで捨てたもののなかに地味に使い出のいいバックパックやたまに1曲だけ聴きたくなるCDなどもろもろが含まれていたのをのちに気付いて少なからぬ後悔に襲われた(買いなおせばいいんだけど)。以後、やたらに物は捨てないことにしている。


さてDahon K3にリクセンカウルのアダプタとバッグを付けてみてその便利さに久々に感服した。

以前からわが家には同ブランドのバックパック(フリーパック)と自分でアダプタを取付けた(いわゆるリクセンカウル化)オーストリッチのパニアバッグ(S7)があり、海外の旅でも使用してその良さは承知している。


ふと道具箱を見れば未使用のアダプタプレートがひとつあるではないか。そうだこれ使ってK3の日帰りサイクリングに丁度いいバッグでも作ろう。


そこで出てきたのが、もう四半世紀も前に買ったアトリエサブのショルダーバッグ。大学を出て働き始めた年に通勤用に買ったものだ。アトリエサブというブランド自体バブルの残り香漂うものがあり時と共にちょっと恥ずかしくもなり、以後20年以上も使わずにお蔵入りになっていたのだが、デザインも悪くないし捨てる気にならず今日に至っていた。造りもしっかりしたもので随所に本革もあしらわれており、当時はまだ日本でちゃんとしたものが作られていたのだ。


自転車に取りつけて使うのであるからバッグの芯というか骨組みというか、硬さのある構造物が必要だ。これがまあ偶然にも、たまたまわが家にあった、セリアで100円で売っていたB4サイズのプラ製ファイルボックスが寸法(だいたい)ぴったりなのであった。

これを中に入れた上でバッグ本体にアダプタのねじ穴に合わせて穴を開け、ケースの側面を挟んでプレートをねじ止めするだけであるが、バッグの方でも長年の眠りから覚めたらいきなり穴を開けられて何事かと思って狼狽したに違いない。

(その後加えて更なる強度を加えんと、やはり100均で買ったワイヤーネットをバッグの大きさに合わせて切断し、ケースとバッグの間に挟んでねじ止めして強靭化を図った)




出来上がってみればなかなか英国トラッドぽい雰囲気もあっていい感じである。ブロンプトンのブランドとかから出ていたら3万円ぐらいしてもおかしくない感じですらあるが216円である。

容量は、バッグの寸法から計算するとだいたい10リットル前後+前面のポケット2つで1.5リットル。そんなに大したことはない。

見た目の大きさはブロンプトンのSバッグとそんなに変わらないのだが。まあSバッグはでかいポケットで嵩増ししているのもあるだろうけど。

肩ヒモは取り外せないので走行時には短くしてフラップの中に入れる。Sバッグと同じ要領だ。


何でも、捨てずに持っていればいつか使うこともあるという話であった。


その後Brooks のサドルを奢っている。