メロウなvéloで行こう

おもに小径折りたたみ自転車で東北各地、ときに日本各地や海外を走る話

2002 冬のフランス Day10 - 11

Day10 シノン―ソミュール 
Chinon-Saumur 晴れ 

 昨日から一転してウソみたいな青空。雅な部屋に名残を惜しみつつ出発。
 ロワール川を見下ろす高台に聳えるシノン城は中世からのいにしえの砦であるが、今は半分廃墟となったまま保存されている。ふもとの町も木組み造りの家並みなどもあり、これまた風情満点。






 シノン一帯はワインの名産地でもある。ブドウ畑と小さなワイナリーが散在する静かな田舎道を走っていく。やはり天気がいいと気分が盛り上がる。
ヒャッハー
 やがてヴィエンヌ川との合流点、カンデ・サン・マルタンに着く。このあたりの建物はみな柔らかいクリーム色をした石で作られている。昨夜泊まった部屋にも使われていた。明るい陽射しと空の青に映えてそのくすんだソフトな色調が一段と心地よい。ここもくすんだ黄色の家々が並び、その中心に同じ色の壮麗なカテドラルが鎮座するうつくしい街。


 同じ色の小さな村をいくつか過ぎやがて丘の上に上り、一面のブドウ畑の中を走る。ロワールの谷の眺めが爽快。


 ソミュールが近づくとだんだん下っていき、街を見下ろす優美な城に着く。天気がよいのでもっと走りたいが、今夜はここに泊まる。投宿したホテルHotel de Londre※はソミュールで最初に出来た老舗とのこと。階段やロビーに古きよき時代の面影を残している。部屋はこの上なく綺麗で古さは全く感じさせない心地よいものであった。
※2016年現在廃業





DAY11 ソミュール~アンジェ 

            Saumur-Angers  
晴れときどきくもり一時雷雨 

 ロワール川に沿ってアンジェへ向かう。直線距離にして昨日の2倍くらいあるので最初から気合入れて飛ばす。
 気持の良い晴天のもと、川沿いのフラットな道を爽快にかっとぶ。途中ローマ時代からの街ジェンヌ、中世には巡礼者で賑った街クノーなどの歴史ある小さな町を通る。どの村にも11世紀~15世紀築のロマネスクの小さな教会がある。これまたくすんだクリーム色の石で造られており、やさしくメロウな雰囲気を漂わせていた。




 サン・レミ・ラヴァレンヌからは人家がまばらになり、河岸の低地を利用した酪農地帯になる。空を見るとアンジェの方角が真っ黒な雲で覆われていてイヤだなあと思っていると雨がぱらぱら降りだし、風が強まってきたアンジェまで10キロ足らずなのであと少しがんばろうと雨具を着込んで走る。しかしアンジェにつく頃にはまた晴れた。忙しい一日。
アンジェ城
 さて、ツアー日程も半分を過ぎ、ロワール川コースはあとナントまでの区間を残すのみとなったが、大都会であるナントに向かって走っていくのも気がのらないし、ここらで一区切りして次のステージ、ブルターニュ地方に向かうことにする。(ブルターニュ篇につづく)