メロウなvéloで行こう

おもに小径折りたたみ自転車で東北各地、ときに日本各地や海外を走る話

タイ・ラオス 2004 Day7

タボー~ノーンカイ~ヴィエンチャン Tha Bo-Nong Khai-Vientiane(ラオス 


今日はメコン川を越えてラオスに渡る。
外国人が出入国できる国境の橋は30km先のノーンカイにある。タボーからは川沿いの田舎道をたどっていくが(国道は内陸部を遠回りして走っている)、この道がワイルドだ。一応2車線の広さはあるのだが、舗装してあるのが一車線ぶんだけ、しかも道路の真ん中だけなんである。足りなかったのかよ、アスファルト。舗装部分もツギハギだらけでなかなかハードな30kmであった。

西から来るとノンカイ市街に入る前に国鉄の駅に着く。市街から遠く離れた原っぱのど真ん中にある駅で、駅前には数軒の食堂とホテルがあるだけだ。ラオス国境の街らしく、食堂ではフランスパンのサンドイッチを売っている。
食堂でチャーハンの昼食ののち、国境へ。
ノーンカイからラオスに架けられた「フレンドシップ・ブリッジ」では現地でラオスのヴィザを買うことが出来る。窓口で書類に記入し、ハンコをもらうだけで出国完了。メコン川を渡る橋は自動車専用道で、全員強制的にバスに乗せられる(ことになっているのだがしかし、ラオスからはなぜか自転車で橋を渡って帰ってきた。のちに述べる)。一人10Bだが、自転車持ってたらなぜか30B取られた。
ラオスの入国窓口に書類を提出し、しばし待つ。名前を呼ばれたらお金を払ってヴィザを受け取り、イミグレーションを通って、ラオス人民民主共和国へようこそ。
社会主義国にこんなに簡単に入れていいんかい、という感じだった。(窓口で払うお金は「30米ドルもしくは1500タイバーツ」となっているが、この両者の差は日本円で1000円以上ある。節約したい人はあらかじめドルを持っていきましょう。あと週末は割り増し料金となる。)

国境から首都ヴィエンチャン中心街まで20数キロ、初めての国を走り出すドキドキ感はいいものだ。
おお、なんといきなりクルマが右側通行だ(フランス植民地時代のなごり)。バックミラーを反対に付け替えて出発。
空港を出てしばらくの風景はタイとあまり大きな違いは無い。円錐形の編み笠かぶってる人が目に付くのと、走っているクルマが格段にぼろいことぐらいか。

空港からしばらくはラオスとはいえ交通量が多くて落ち着かない。しばらく行くと道が二又に分かれ(人民軍のプロパガンダ看板のあるところ)、どっちが中心街とも標識が出てないのであせるが、幹線道路から分かれて左側に行くのが正しい。
ここからはクルマも少なくなり、街並みを見渡す余裕も出てくる。
郊外の埃っぽい街を抜けて中心部に近づくと原チャリに乗った女学生が目に付くようになる。白いブラウスはタイと同じだが、黒地のスカートには裾の部分に民族調の柄があしらわれ、なかなかエレガントでよい。
観察しているとどうやら小学校から大学まですべての学校の女子の制服のスカートはこのデザインで、裾の柄が学校ごとに違った特色を出しているらしい(たぶん)。
スカートに熱中しているうち、気がつくと市内の中心部に来ていた。
メコン川に近い一角は木立に覆われ、植民地時代のコロニアル様式の建物が残っておりよい雰囲気。
今回は「メコンの落日を眺めながらビールをグビーとやる」のが重要な目的であるため、河畔近くのホテルをいくつか物色する。決めたのはその名もMekong Hotel、通された部屋は広くて清潔、窓の外がお寺でこれまたなかなかいい雰囲気。

夕暮れ時に河畔を散歩する。西洋人ツーリストも多い。
向かい岸は昨日通ったシーチェンマイの街で、わたしがこっそり立ち小便した看板なども間近に見え感慨深い。あのときは周囲に誰もいないと思っていたが、ラオスからはたくさんの人に見られていたのかも知れないと思うと忸怩たる思いだ。

しかるのち河畔に並ぶオープンレストランにて夕日を見ながらビールと夕食。現地通貨(キップ)はやたら数字がでかい。ビール1本7000とか、料理なんか2万以上で、慣れるまでは注文するのにドキドキしてしまう。(といっても1000キップ=11円)
ラープという、挽き肉を炒めた料理を頼む。すごく辛い。辛いが美味い。

明日は市内観光の予定。(つづく)

やど:Mekong Hotel 1000タイバーツ